VRサイクリング 鹿児島県北部を東から西へ縦断。山間から海辺と変化する道筋の巻。前回ルートの途中大口市街の交差点を左折する形でスタートし、まもなく西へ向かい勾欄崎峠を越えて出水の武家屋敷街へ出る。その後出水の西側に広がる干拓地を抜けて黒之瀬戸大橋を渡り長島の西海岸沿いの道を進んで長島北岸の天草へのフェリー乗り場のある蔵之元港をゴールとする76kmの行程。出発地大口と経由地出水は薩摩藩の2大防衛拠点であったらしい。二重鎖国と呼ばれるほど藩の防衛に力を注いできた薩摩藩にとって、他藩と通じる2つの街道、沿岸ルートの薩摩街道出水筋と内陸ルートの薩摩街道大口筋で国境に近く守護の要となっていた2つの町は薩摩藩独特の外城制度により藩士が多く配置されていたようだ。今回のルートの前半、大口と出水を結ぶ出水菱刈線とも呼ばれる県道48号線は街道としての名称は特にないが、二大防衛拠点出水と大口で有事の際に互いに協力し兵を送り込む「北割」という防衛ラインを形成する道筋であった。高い山はないものの結構険しい峠道であるが、ここを西郷隆盛も通ったらしい。出水はVRサイクリングでも2021年7月に薩摩街道出水筋ルートで通過したが、その折にも紹介したように日本最大級の武家屋敷群が展開するがいわゆる城下町ではないという稀有な町なのである。今回も前に通らなかった道筋を選んで武家屋敷街を巡ったが玉石垣と生垣と屋敷林、武家門という特有の家並みが続く。その先は江戸時代から続く海岸まで展開する広大な干拓地。ここは鶴の渡来地として有名で、冬には1万羽を超えるツルが越冬する世界的にもレアな場所。ツルの観察センターも干拓地の真ん中に建てられているが、走っている途中にも農地に群れるツルの一群を目撃した。その先で日本三大急潮の1つと称される速い潮流が見られる黒之瀬戸を美しい朱色のトラス橋で渡ると結構大きい島長島。段丘上の島の西海岸沿いの道は東シナ海と遠くに甑島列島を望み、進むにつれ前方に天草諸島の島々も見えてきてなかなか風光明媚。というわけで特に有名な観光地があるわけではなかったが、なかなか変化に富んで面白い道筋であった。次回からはフェリーで渡った先の天草編となる。
2026/6/27 大口・出水コネクション 大口〜出水〜長島(蔵之元港)
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