VRサイクリング 奥出雲を宍道尾道街道・木次阿井往還・湯町八川往還の3つの街道を走り継いで縦断するの巻。宍道湖の辺りの山陰道の宿場町宍道宿をスタートし、まず宍道尾道街道に沿って南下し次第に山懐に入ってゆく。雲南市の中心木次からは木次阿井往還に入り日登付近から本格的に山に入り人造湖さくらおろち湖を抜けて下ってゆき三澤の集落を通り進むと奥出雲町の中心三成の町、さらに砂の器で知られる亀嵩まで進んだところで湯町八川往還にスイッチしてまた南方に針路を変え、たたら製鉄で賑わった町横田を通り八川を過ぎると山はさらに深くなり奥出雲おろちループで一気に分水嶺まで到達すると出雲国(島根県)から備後国(広島県)に入り道後山を望む宿場小奴可をゴールとする82kmの行程。街道は乗り継いだが傍を通る線路はずっとJR木次線。いわゆる奥出雲地方を舐めて走る鉄道にほぼ沿ったルートとなった。今回走った奥出雲地方で印象に残ったキーワードを挙げると、「棚田」「仁多米」「たたら製鉄」「ヤマタノオロチ」「砂の器」というところか。山また山のルートであったが隙あらば田んぼにしたい地域性のようでとにかく「棚田」がどこでも目に付く。そしてそこで作られているのが全国に名声を轟かせる銘柄米「仁多米」なのだ。米どころ新潟のような見渡す限りの田んぼではないが、多分苦労して切り拓いた「棚田」の昼夜の温度差とミネラル豊富な雪解け水が良質の米を産むらしい。奥出雲の「たたら製鉄」は江戸後期から明治中期にかけて国内の和鉄生産の半分以上を占めていたというから驚きだ。当然洋式の近代製鉄の発展により急速に衰退したが、その繁栄の残り香なのか山間の町にしては風格が横田の街並みに感じられる。「ヤマタノオロチ」伝説は奥出雲の地のもので、関連する史跡や地名があちこちに残る。特に印象的なのは奥出雲の最奥地国境に近い険しい地形に二重にトグロを巻いて一気に高度を上げる国内最大のループ道、奥出雲おろちループ。JR木次線も全国的に珍しい三段式スイッチバックで地形に対応するが、ループ道はまさにのたうつ巨大の大蛇のように見えて迫力がある。そして「砂の器」この映画を昔初めて観た時に亀嵩という地名と共に奥出雲の長閑だがどこかミステリアスな空気を纏った風土が強く印象に残っていていつか木次線に乗ってこの地方を旅したいと思ったのを思い出す。実際に走ってみるとミステリアスなムードは感じられなかったが棚田が続く長閑な山里の風景は昔観た映像を彷彿とさせるものがあった。さて次回は備前から備中へさらに中国山地の中を彷徨いつつ山陽地方へ戻るアプローチとなる。
2025/10/6 宍道尾道街道・木次阿井往還・湯町八川往還 宍道宿〜木次〜三澤〜三成〜横田〜小奴可
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