VRサイクリング 隠岐の島後島をぐるりと一周の巻。前回の経由地境港からフェリーにて渡った、隠岐島後島の玄関であり中心でもある島南東部の西郷港のフェリーターミナルをスタートし、まず島の東側の海岸沿いに進み、北岸の中村集落に達した後、国道485号線を通り内陸へ向かう。水若酢神社のある郡集落から島の西岸に向かい、西岸に沿って南下してゆく。那久岬の絶景を押さえた後、松原と舟小屋群が麗しい都万の海岸からまた内陸へ入り、隠岐国分寺や玉若酢命神社を経由しつつ出発点の西郷港へ戻る、82kmの行程。反時計回りに島を一周するルートとなった。島の海岸線は沈降型のリアス式か隆起型の海食崖が続く複雑なラインを描き、風光明媚なはずであるが、ルート上の道は絶景ポイントを躱して内陸に入ったり、沿道の木々が眺望の邪魔をしたりで、今一つ映えるビューポイントには乏しかった。1箇所だけ絶景を拝めたのが那久岬。島の南西部に突き出た岬で、海の青と陸地の緑に先端の灯台の白がアクセントになり、また海の向こうには次回訪れる隠岐の島前の島々が横たわるという見事な構図。さて島を一周したところで感じたのは、日本の田舎を直径20km弱の円形エリアに押し込んだ箱庭だな、という漠然とした印象。海岸線上には日本のどこの海岸にもありそうな漁村が点在し、内陸部には山間に田んぼが広がり農村の集落が見え隠れしてよく見かける里山風景が広がっていた。隠岐という地は地図上では辺地なだけに見たこともないような秘境の風景が展開していると勝手に思い込んでいたが、島後に関してはむしろ日本のあちこちで見かけたようなデジャヴな風景が展開していて、ある意味想像していたような面白みはなかったが、心穏やかに和める土地ではあった。とは言いつつ独特の風土というのは存在する。日本の国生み神話においては淡路島、四国、九州に続く四番目に出来たのが隠岐の島々ということになっていて、水若酢神社と玉若酢命神社という由緒ある神社が2つも存在する。その神事として相撲が盛んであちこちに土俵を見た。また後醍醐天皇や後鳥羽上皇の流刑地としても知られ、これによりお慰めのための牛突きという闘牛が盛んで牛突き場も方々にあった。こういう根差した文化はルートを走っていても表面的には見えづらいが注意深く観察しつつ走ると少しずつ見えてくる。次回は隠岐の島前の島々を巡る。
2025/9/22 隠岐島後一周 西郷〜中村〜郡〜都万〜西郷
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