VRサイクリング　篠山街道から亀岡街道へと走り継いで丹波から大阪近郊へと進むの巻。丹波篠山の立町通りをスタートし、残っていた篠山一番の見どころ、河原町通りを通り抜け篠山川を渡って篠山市街から出ると、丹波の食文化を支える豊穣な田園地帯が広がる街道風景を眺めつつ東へ進む。まもなく伝統的建造物群保存地区に指定されている宿場町福住に差し掛かる。その先天引峠を越え、寂れてはいるが宿場の面影の残る埴生の集落を過ぎて、ジョンレノン・オノヨーコ夫妻も訪れたという京都の奥座敷と呼ばれる湯の花温泉を抜けるとまもなく篠山街道終点の亀岡市街。亀岡では駅前と亀山城址を巡った後、亀岡街道に入り南南西へ向かう。途中で街道から外れつつ、意外と険しい狩待峠を越え、見山の郷と呼ばれる棚田が美しい山間の集落を進み、最後は箕面ドライブウェイを下って阪急箕面駅をゴールとする若干トリッキーな76kmの行程。今回はルートが進むにつれ地味になってゆく展開。最大の見どころは一番最初だった。前回丹波篠山を一巡りして見終わったつもりのレポートであったが、篠山最良の街並みは今回のルートに残されていたのだった。市街地南東の河原町通り。約600m続く狭い通り沿いには、「妻入」と呼ばれる建築様式の商家が建ち並び、ありそうでなかなかない特徴的な景観で国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。また調べると丹波篠山には西日本最大の民謡の祭典デカンショ祭りという大イベントもあり、いよいよリアルに訪れてみたい街のトップクラスに上がってきた。丹波篠山の先の篠山街道ももう一つの伝統的建造物群保存地区福住も山間の古い家並がなかなか魅力的であった。この近辺は戦国時代、明智光秀の丹波攻めの激戦のあった地域で、光秀に攻略されて滅ぼされた八上城や南八田城、埴生城などの山城が街道沿いに点在している。亀岡はVRサイクリングの山陰道編で2022年3月に通過して京都へ抜けて以来。ルート後半亀岡から箕面へ抜ける道には特にめぼしいスポットはなかったが、大都市大阪・京都近郊としては意外と秘境感溢れる地域で、狭い斜面に棚田が展開していたのが印象的であった。箕面は国定公園となっているのだが、そのエッセンスは谷間の渓谷にあり、その遥か上を走るドライブウェイのルートには残念ながら期待したビュースポットが見当たらなかった。次回は今までVRサイクリングで訪れてなかった大阪市街北部を巡る。