VRサイクリング　篠山街道にて丹波路を往く。前回ゴール竹田の手前和田山付近をスタートし、東に進み篠山街道に入り南東へ進路を取る。遠阪峠を越えると丹波国。加古川の広めの谷を進む。枡形がはっきり残り古い商家も散見される典型的な宿場町、佐治を過ぎ、日本一低い分水界で知られる石生、柏原藩の城下町、史跡も多い柏原と通り抜け、鐘ヶ坂峠を越えるとまもなくゴールの街、篠山。城下を一巡りして街道沿いの歴史ある商店街立町通りを終点とする59kmの行程。同じ丹波路でもかなり北の谷筋、3年前に通った山陰道はJR山陰本線沿いで福知山や綾部といった町を通るが今回の方が谷筋としては開けていると思われる。実際江戸時代より前の古代・中世の山陰道はどうやら篠山街道の道筋だったようだ。近世になっても重要性は薄れず丹波と但馬・因幡以西を結ぶ街道として一部の大名行列や商人・旅人にもよく利用されていた。ある意味近世、近代で幹線ルートから外れたことで各宿場町も昔の面影を保持し続けている部分もあるかもしれない。なかなか旧街道としては雰囲気のある道筋でちょっと歩いてみたいと思った次第。石生の分水界は不思議で、標高が百メートルにも満たないのに日本海に注ぐ由良川と瀬戸内海に注ぐ加古川の水が分かれる場所となっている。周囲は山に囲まれている感じなのになぜそんなことが可能なのだろう。その地理的条件を利用した日本海と瀬戸内海を結ぶ舟運の歴史があるというからさらに興味深い。丹波篠山は地名を聞いたことはあってもどの辺にある町なのか認識していなかった。京都や大阪、神戸という近畿都市圏から意外に距離的には近い場所にあるが、鉄道が通っていないとか高速道路や国道も近くを通っていないとかアクセスは悪そうだ。そんなことで余り観光地として認知されていないような気がするがどうしてなかなか魅力的な町だ。とにかく城下町の形がきっちり残っている。街の真ん中に城址があり石垣や外堀が綺麗に残されている。下手に偽天守などが無いのもいい。外堀は緑が濃くて美しく、個人的には散歩したい城址の外堀外周トップクラスだ。城址の周りにはカキっとした武家屋敷群が残されている。街道はその外側を通るが、そこには昔ながらの商家が建ち並んでいて、町人はそこに暮らしていたというのがわかる。観光地としてもチャラチャラしていないのが良い。チェックしていないが、丹波黒豆、丹波栗、丹波松茸とか全国に轟く名産品も美味しく頂けるような料理屋、レストラン、カフェ、和菓子屋も多分数多く展開していることだろう。いつか訪れてみたい街だなあ。次回は一気に大阪近郊まで進む予定。