VRサイクリング 吉野川沿岸を上流へ向かって遡り四国のど真ん中に達するの巻。前回終点とした讃岐街道と撫養街道の交差点、大寺をスタートして撫養街道を西へ進む。吉野川の流れを視野に入れることもなくひたすら田園地帯を進むと、美馬市の中心となる脇町の市街地に入り、昔ながらの「うだつの町並み」を愛でつつ通り抜け、次第に山が迫ってきてついに吉野川を眺めつつ上流に進むと撫養街道の終点、三好市の中心池田の町に入る。池田の町を通り抜けたところで吉野川と共に進路を南に変えると急に渓谷沿いの道となる。その先は剣山国定公園の一部をなす有名な景勝地、小歩危、大歩危の険しくも美しい峡谷の道となりその峡谷美を十分堪能した辺り、土讃線大歩危駅をゴールとする91kmの久々の長丁場。撫養街道はちょうど4年前2021年10月に、今回のスタート地点より4kmほど東へ行った四国霊場一番札所の霊山寺から鳴門市街の撫養まで街道の一部を走った。今回は残る西側の街道をほぼ補完的に走ったことになるが、霊場巡りがない分ひたすら変哲のない田園地帯を走るだけで単調で正直なところ飽きのくる景色であったが、脇町と池田の町だけはレトロな町並みに魅了された幸せなひとときであった。特に脇町の「うだつの町並み」はいわゆる経済的な余裕を示す「うだつ」(装飾を施した防火壁)を備えた伝統的建築の商家が街道沿いに延々と続き、迫力すら感じられた見事な町並みであった。日本には知られざる魅惑の「小京都」があちこちにあるんだなとつくづく思い知った次第。池田も三方山に囲まれた山間ながらかなりの大きな町で、山を背景にしたレトロな町並みが味わい深い。吉野川は池田のどん詰まりの山の向こう側をぐるっと回って西から南へ流れは遡るという不思議な地形となっていた。池田の先小歩危大歩危の峡谷は昔土讃線の列車からも眺めた記憶があるが、険しい山間の深い峡谷の底は大理石の彫刻の中を清流が迸っているような様相となっていて、ありそうでなかなか見られないダイナミックな渓谷美であった。さて次回は、番外編として今回のルートの一部をぐるっと迂回して秘境中の秘境を巡る。
2025/10/27 撫養街道 大寺〜猪尻(脇町)〜池田(三好)〜大歩危
リンク
リンク




















