VRサイクリング 今回は次回にそのまま繋がらないという意味では番外編の位置付けで但馬国(兵庫県)の日本海沿岸を西へ向かう旅。題して山陰海岸ジオパーク巡礼。前回の終点、浜詰を出発し、夕日の美しい長い砂浜に沿って西へ進み、久美浜湾という名の潟湖の沿岸からちょっとした峠を越え天下の名湯、城崎温泉へ。城崎温泉のメインストリートを抜けてまた一山越えて日本海沿岸の町竹野へ出る。ここからは日本海に沿って山陰海岸ジオパーク巡りモードに入る。切り立った断崖と奇岩に彩られた岬と、カニ漁で栄える漁港のある入江が交互に出現する岬巡りが続く。佐津、柴山、そしてカニ好きの聖地香住、今や普通のコンクリート橋に成り果てた余部橋梁が聳える余部を過ぎると断崖絶壁区間が10km以上続く間断崖上の林道をひた走り山陰海岸ジオパークの中心に位置する浜坂。その名も新温泉町という町名でもちろん温泉のある町。そしてそのちょっと先、江戸時代北前船の寄港地であり廻船問屋もあって栄えた湊町諸寄をゴールとする80kmの行程。ユネスコジオパークとは地質学的に重要で貴重な自然公園をユネスコが認定したもので世界で229箇所、日本では10地域の認定がされている内の一つが山陰海岸で東は丹後半島から西は鳥取砂丘までの広がりを持つが今回巡ったのはその中核となる地区で山陰海岸国立公園にも指定されている。日本列島が大陸の一部だった時代から日本海形成に関わる火成岩類や地層、海水準や地殻の変動によって形成されたリアス海岸や砂丘をはじめとする多彩な海岸地形など、貴重な地形・地質遺産を数多く観察できることが特徴とされている。残念ながらルート設定の都合上そうした多彩な海岸地形の一部を覗き見た程度であるが、それでも魅惑の海岸線を堪能できたと思う。これで日本海の海岸線はVRサイクリングでほぼ網羅したと言えるかな。ちなみに今回ルートでリアルに行ったことがあるのは城崎温泉だけだった。VRでほぼ日本中の温泉地を巡ってきたが城崎温泉は温泉場としての情緒としてはトップクラスだと再認識した。旅館や土産物屋、そして七つの外湯が建ち並ぶメインストリートの真ん中に川があり、所々に由緒ありげな石橋と柳が情緒を盛り上げる。また訪れたくなった。次回はその城崎温泉をスタート地点に南へ向かう。