VRサイクリング日田往還2日目。幕府の天領として繁栄した日田から別の日田往還の街道に乗り換えて、阿蘇方面を目指す。本日は温泉場として有名な杖立宿を経由して小国町へ至る。本日のゴールとしては街道をちょっと外れて、小国町の外れに位置する北里集落とした。日田からずっと渓流沿いに山道を進んでゆくが、道沿いには温泉が数多く点在する。その中でも杖立宿の杖立温泉は大きな温泉地であるが、山間の湯治場の雰囲気が色濃く漂う素敵な場所だ。福岡に住んでいた子供の頃も親がこの温泉を好んでいて何回か訪れた記憶がある。ほとんど記憶は失せてはいるが、多分その頃とほぼ変わらないレトロな温泉街は何か記憶を刺激するものがあるのか懐かしい。さて本日のゴールとした北里集落は、北里柴三郎の出身地であるが、実は我が北里家、さらに日本中の北里姓のルーツの地でもある。わが北里家は北里柴三郎の本家筋と遠い昔に別れた分家らしい。私事で恐縮だが、末っ子の私の祖父が将来を悲観し、家出してこの集落に別れを告げ、島根の家出娘の祖母と一緒になって大阪に居を構え、父が生まれた。家出した夜、集落を取り巻く山の上から松明を焚いて自分を探す捜索隊を眺めていたという。何か映画のシーンのようだ。子供の頃には来た覚えはないが、30年ほど前に一度訪れたことがある。